本日は、梅雨空の中お集まり頂きご苦労様でございます。雨は確かにうっとうしいですが、暑さが和らいで私のような年寄りにはありがたいです。
さて、こうしてお集まり頂いて説明会をするのも7、8回にもなりますか…お陰様で徐々に定着して参りました。墓参団も訪朝すること五回です。直前は3日前に帰国したばかりです。私が一番嬉しいことは、訪朝してお墓参りをしてこられたご遺族がどなたもお元気で嬉々としてお帰りになることです。「悲願が叶った」「これで父、母、兄弟に許してもらえる」と口々に安堵の表情を浮かべて私たちにも感謝のお言葉を下さいます。
私たちは、事務局はじめ、ご支援下さる方々はみんなボランティアです。ご遺族の方々からの「ありがとう」のお言葉、「嬉しい」の笑顔が何よりの励ましです。
ただ、訪問先が北朝鮮ということで良くも悪くも世間の大きな関心の的になっていますから、問題もしばしば発生しています。
墓参団に随行されるマスコミも、日本での報道を拝聴する限り、墓参団への取材というより「北朝鮮取材」になっているようです。墓参事業は、マスコミの皆様のお力もお借りしなければならないことは充分に承知しておりますから、多少のことは大目に考えておりますが、行き過ぎますと大問題です。墓参事業が破綻しかねない事態を招いてしまいますので、是非、ご留意頂きたいと思います。
それと重大な懸念があります。「反北朝鮮勢力」と言われる人たちの存在です。街頭で大きな声で叫んでいる人たちではありません。本当に注意しなければならないのは「反北朝鮮勢力」という看板を隠して接近して来る人たちです。
2013年6月28日 第8回墓参訪朝説明会(名古屋)

正木貞雄 代表幹事
政治家、マスコミの中にはもちろん、何とご遺族の中にもいらっしゃるようです。信条、主義、主張は自由ですが、私たちの事業を破綻させることが目的ですから充分に注意が必要です。
この度の墓参団には、随行したある大手マスコミが「竜山墓地は、本当に日本人遺骨か」などという記事をわざわざ持参して、墓参団に参加しているご遺族に渡し、さらにそのご遺族が現場に随行している北朝鮮側担当者に渡すというハプニングがありました。
とんでもないことです。レストランに入って「この料理に毒は入っていませんか?」と聞いているようなものです。確かに戦後の混乱の中でもあったし、70年近くも放置してきたわけだから、日本人以外の遺骨が混じっていないとは言い切れませんが、そうであったとしても北朝鮮側に責任はありません。
すべて日本の責任です。それを人道的見地から対応してくれている北朝鮮側の担当者に「本当に日本人の遺骨か?」とよくも聞けたと思います。二度とこのようなことがあってはなりません。
同様のお考えのご遺族にも当然のことながら退会して頂きます。最近、退会して頂く方がチラホラありますが、少なからず同様の事情があることをご理解下さい。私も微力ながらしっかりとこの北遺族連絡会を守って参りたいと思いますので、どうか皆様の力強いご支援をよろしくお願い申し上げます。長くなりましたが私の挨拶と代えさせて頂きます。