2014年3月7日 日朝赤十字会談報告(場所:日本赤十字社)
3月3日に中国の瀋陽で開催された日朝赤十字会談の内容について、日本赤十字社が7日、遺族に向けて説明・意見交換を行う場を設けて下さいました。太西事務局長をはじめ、遺族10名が参加致しました。

【日本赤十字社・田坂治国際部長よりご説明】
まず最初に、今回の日朝赤十字会談に団長として参加された田坂国際部長より、会談内容のご報告を頂きました。(注:以下編集済)
「今回の会談では、まずはじめに先方から、「一昨年の夏以来、ご遺族の方々が8回墓参をされ、そのたびにベストを尽くしてお迎え致しました」「こちらも専門家参加の下、各地の埋葬地を精一杯調査しております」とのご報告がありました。
私ども赤十字の方からは、ご遺族の皆様方から、「墓参訪朝した際、現地の方々が非常に一生懸命対応して下さった」との感謝の気持ちをお聞きしていたので、「遺族の皆様が感謝の意を持っております」とお伝えし、日本赤十字としても、先方のご対応を評価しているという旨をお伝えしました。そして、「今後もこのような墓参が続けられていくことを期待します」とお話致しました。
その後、遺骨埋葬地をめぐる状況について先方から説明がありました。埋葬地のある土地を所有している個人の方から、「土地を使いたいが、慰霊の眠る場所をいじりたくない、ぜひなんとかして頂きたい」という声が多く上がっているそうです。また、これは一つの例ですが、軍の所有する土地についても同じく日本人のご遺骨が見つかることがあり、建物を建てたいのだがどう対処すればいいか、との問いかけがありました。さらに、最近になって国レベルので土地開発政策が出され、マスタープランも作成され、それに基づいて各地方で具体的な開発計画を作っているそうです。しかし中にはご遺骨が埋葬されている場所も含まれており、これらのご遺骨はどう扱っていけばいいでしょうか、という問題提起を頂きました。
私ども赤十字としては、こういった問題のプロではなくすぐに返答が出来ないので、日本にこれらの話を持ち帰り、関係省庁等と相談し検討することを約束致しました。今回は外務省さんにもご参加頂き、議論の中身を共有できるという非常にいい側面がありましたので、今後もこういった形で会議を開いていきたい旨、お互いに話を致しました」
【遺族との意見交換・質疑応答】
次に、遺族の方から質問や感想を述べる機会を頂きました。多くのご遺族が手を挙げて発言。あきらめていた墓参が実現し感激したこと、共和国から手厚い対応を受けた旨などを思い思いに語りました。また、現地への慰霊碑建設や遺骨収容についても要望が上がりました。さらに、今回ご報告を下さったお2人に対し、「日朝会談のニュースを見たときは本当に嬉しかったです」「声を張り上げて泣きながらテレビを見ました」「本当にありがとうございます」「大変だとは思いますがぜひ今後も会談を続けて下さい」などと、感謝と期待の言葉も多く出ました。これを受けて、最後にお2人から、「今後、関係省庁と協力し、次の会談がまた1年半先・・・などということのないよう、出来るだけ早く前に進んでいきたいと思います」というお言葉を頂きました。



