2014年10月3日 第19回 墓参訪朝報告・説明会

【正木代表幹事 / 来賓ご挨拶】
最初に、正木代表幹事より簡単にご挨拶をし、続けて、各来賓の方々からお話を伺いました。
北遺族連絡会発足前からご尽力いただいている城島先生は、「当時の清津会の方が私の事務所にお尋ねになった日から、早くも3年目がたったのだなと感じております。今の正木会長は、当時清津会の事務局長でしたが、墓参への想いを私に切々と訴えられていたことが、忘れられません。自らの命あるうちに墓参をしたいという気持ちは、全くその通りだと感じ、私なりに努力をさせて頂きました」とこれまでを振り返られました。
続いて浜田先生から、「国交がない中、共和国とどう関係を作っていくかという点において、皆様方の墓参を通じた人道的な交流は、唯一ともいえる薄いチャンネルだと感じます。このチャンネルを皆さまの力で大きくしていって頂きたい。人と人との信頼関係があってこそ国との関係もよくなっていくと思いますから、現地での出会いについても私共に聞かせて頂きたく思います」と、両国の平和的関係の構築について、思いを語っていただきました。
その後、蓮池透氏と一水会木村代表が、ご遺骨の問題とは裏腹に、拉致問題が思うように前進しないことについて、懸念を表明されました。
【墓参訪朝 参加者報告】
墓参訪朝ドキュメント鑑賞後、参加者の方々より、お言葉をいただきました。
〇遠藤功一さん
この度は有難うございました。皆様のご援助を受け、72才にして、父親が35歳で亡くなった場所に行かせていただくことが出来ました。感無量です。共和国の方々も、素晴らしい方々でした。
私としては、一刻も早く国交を正常化してほしいと感じております。日本がまず過去のことについてお詫びをし、そのうえで共和国からもお詫びをいただければ、国交回復は容易にできるのではと思うのです。戦争なんていうものは金輪際あってはならないことです。平和のために、皆さまからもお力添え頂ければと思います。
〇近藤龍雄さん
2度目の墓参でした。今回、平壌の空港が非常にきれいに改装され、あるいは新しくなっており、「共和国が世界に向かって窓を広げているのではないか」と感じました。街の中も、昨年と違ってさらに活気があるような気がいたしました。前回は工場があっても煙が出ていませんでしたが、今回はあちこちで煙が出始めていました。これは一つの変化ではないかと思います。
しかし、お互いに行き来しなければいろいろ話が進まないと思います。政府にはぜひ、国交正常化への動きを進めて頂きたいと思います。
〇中井將隆さん
私の父は8月15日にソ連との戦いで戦死しました。長い間、命あるうちに父のところへ行ってお祈りをしたいと思っておりましたので、去年、新聞で北遺族連絡会のことを知った際は、すぐに入会をさせて頂きました。そして、すでに墓参訪朝に参加された先輩方の手記などを読ませて頂き、今回、参加いたしました。
父が亡くなった場所を実際に見たときは、「ああ、こんなところだったのだな」と思い、お祈りをしてまいりました。遺族連絡会の皆様が、ボランティアでやってくださっていることがいまだに信じられず、本当に稀有なことだと感じております。本当に有難うございます。共和国の皆さんも、厳しい情勢の中、非常に親切で、私たちの行きたいところにちゃんと連れて行ってくださいました。
ところで、この1年間、私も父の状況や現地のことを調べましたが、その途中、父と同じ日に同じ場所で亡くなった方が325人もいるということが分かりました。その方々のご遺族も、墓参に行きたい気持ちがあるのではないかと思います。しかし、この墓参活動のことがあまり知られておりません。ですので、帰国後、ただ感謝するだけではなく、こういった活動を知らせていき、結果的には日朝の平和につながるよう、小さなことからやらせて頂きたいと思っております。また、現地では、報道陣の皆様の一生懸命な姿を見て、勉強になりました。報道は国民の意識に影響を与える大事なお仕事なので、この活動についても、ゆがんだ報道をされないようお願いをしたく思います。政治家の皆様にも是非お力をいただきたいです。本当に有難うございました。
〇畔田八恵子さん
兄と共に、2度目の墓参となりました。今回は、「ただいま」という感じで行って参りました。
前回は、清津にある自分の生まれた場所を崖の上から見ただけでした。そのときに、現地の方が、「今度来たときは町の中を歩きましょう」と言ってくださって、私はまさかそれが本当だとは思わなかったのですが、今回同じ方が、「本当に来てくれたんですね。名簿を見た時に嬉しかったです」と。そして、本当に生まれた場所を歩くことが出来ました。とても嬉しかったです。
また、父の亡くなった咸興ですが、兄とは、「軍の施設があるから、立ち入り禁止区域の前でお参りすればいいね」と言っていたのですが、実際は、こんなとこまで来ていいのかと思うくらい、山の上まで行かせて頂きました。細い山道を歩いていくんですが、そこに松林があり、松林の何メーターか先に父の墓標が立っている、ということころまで行くことが出来たのです。私は、共和国の方々にどう恩返しをしていいかわかりません。今回は感謝感謝感謝感謝で、お礼の述べようがありません。
1.主催者挨拶
北遺族連絡会
代表幹事 正木 貞雄
2. 来賓挨拶
元財務大臣 城島光力 様
参議院議員 浜田 和幸 様
拉致被害者家族会
前事務局長 蓮池 透 様
一水会代表 木村三浩 様
3. 墓参訪朝ドキュメント放映
4. 墓参訪朝 参加者報告
5. 事務局より



