2014年3月28日 第15回 墓参訪朝説明会
今年最初の墓参を約2週間後に控え、東京都内で第15回目となる説明会を開催しました。今年に入り既に2度開催された日朝赤十字会談等についての報告と墓参の説明等をさせて頂きました。

【正木代表幹事挨拶】
最初に正木代表幹事より、日朝赤十字会談について、遺族の立場から話をさせていただきました。「やっと日本政府もテーブルについてくれました。先日は、外務省と日本赤十字社から日朝会談の内容を我々にご報告頂きました。ご遺族の墓参訪朝については、今後も今まで通り行われることになりました。また、ご遺骨も完全な保管、収容に向けて取り組んで頂けるとのことです。大変ありがたいことです。」と外務省・日本赤十字社に対し感謝の思いを述べました。続けて、「墓参経費などの国庫負担や、赤十字社などからの支援については一言もありませんでした。一人当たり50万円前後の墓参経費は、今後もすべて自前で負担しなければならないようです。これではご遺族の負担は大き過ぎます。参加したくても出来ないご遺族も大勢いらっしゃることと思います。来週から消費税が上がりますが、税金の使われ方というのは理解し難いものです。さして重要で喫緊とも思われない施設などには巨額な予算がいとも簡単に使われ、雀の涙ほどもない、我々のような余命幾ばくもない年寄りのお墓参りの経費が出ない。このような状況ですから、北遺族連絡会は当分手弁当で運営しなければなりません。」と今回解決できなかった問題についてもご報告させて頂き、締めくくりといたしました。
【元財務大臣 城島光力氏ご挨拶】
次に、連絡会立ち上げ前から今日に至るまで、墓参実現・継続に向け大変なご尽力を頂いた城島光力氏より、お話を頂きました。
同氏は「これまでの経緯について、明らかにできる範囲で少しずつお話をさせて頂きたいと思います」と切り出し、「私は衆議院の拉致問題特別委員会の委員長に就任して以来、北朝鮮問題に関わるようになりました。委員長に就任したからには、拉致問題の前進・解決に全力を挙げようと思い、同問題に関わって来られた方々に次々とお会いしました」と、当初の状況を説明されました。そして、その中でお会いした方の一人から、清津会の存在を聞いたこと、そしてその直後、当時清津会会長を務めていた正木・現連絡会代表幹事と太西事務局長が陳情に来たことを明かし、これを受けて外務省に説得に向かった経緯を紹介。この件は日本政府が本腰を入れて動けばうまくいくと確信を持ち、強く外務省に働きかけて下さったことをお話しされました。
また、先日開催された民主党拉致対策本部での集まりに招かれた際、その場に同席していた赤十字社及び外務省関係者の方に対し、墓参が順調に進んでいることに対する御礼と、墓参経費の問題への協力を要望された旨、報告をされました。
【来賓ご挨拶】
城島氏のご挨拶を受け、参議院議員の浜田氏よりお言葉を頂きました。浜田氏は、横田めぐみさんのご両親がモンゴルでお孫さんと再会されたこと、同時にミサイル発射などの行動が目立っていることにふれ、「現在、プラスとマイナスの面が複雑に入り混じっている状況です。私たち政治家は、この情勢を冷静に判断し、どういう形で日朝関係をより良い形に持って行くかをしっかりと考えていく必要があると考えます。その意味で、これまで積み重ねてこられた人道的立場からの関係改善の動きが、今後の政府間の交渉を前に進めるにあたり大きな力になると思っております。財政的な面でも出来うる限り政府が協力できるよう、問題提起できる環境づくりをしていきたく思います」と話されました。
続けて、蓮池透氏より、報道を巡る現状についてコメントを頂きました。同氏は、「このところの報道を見ながら、複雑な思いを抱いております。日朝赤十字会談関連報道をみていると、遺骨問題に関するニュースが非常に少ないのです。報道でクローズアップされるのは拉致問題ばかりで、遺骨問題の話し合いがどうなったのかが伝わってきません」と問題提起。「2つの案件を同時に良い方向に持って行くために、赤十字会談でどのような話し合いがあり、今後の見通しがどうなっているのかについても報道して頂ければ、また世論も変わってくるのではないかと思います」と述べ、「横田ご夫妻は行動を起こされました。北遺族連絡会も行動を起こされています。どちらの問題においても、皆様の行動が一番大事だと思っています。皆様一人一人の行動で、今問題になっている渡航資金の問題も解決の方向に持っていければいいなと思っております」と、行動することの大切さを強調されました。
最後に、一水会の木村代表より、経済制裁の問題についてお話を頂きました。ご遺族の渡航支援に必ずや絡んでくる問題として、政府はこの制裁をどう緩和・対処していくべきか、木村氏なりのご提案を話されました。

1.主催者挨拶
北遺族連絡会
代表幹事 正木 貞雄
2. 来賓挨拶
元財務大臣 城島光力 様
参議院議員 浜田 和幸 様
拉致被害者家族会
前事務局長 蓮池 透 様
一水会代表 木村三浩 様
3. 事務局より報告とお知らせ

【事務局より】
事務局より、二度に渡って開催された日朝赤十字会談についてご報告をさせて頂きました。 一度目は日本赤十字社本社にて外務省の方と日本赤十字社の方よりご報告を頂きました。(「日朝赤十字会談報告」のページをご参照下さい)
そして、二度目の日朝赤十字会談終了後、再び日本赤十字社本社にてご報告を頂きました。日本赤十字社の方々からは、1)共和国より「墓参に関しては今まで通り続けさせて頂く」とお話しがあったこと 2)ご遺骨に関しては具体的な話が進まなかったこと 3)4月からの墓参についてはこれまで通りの形で行って下さい。とのお返事を頂きました。現時点では、ご遺族の渡航に対し日本赤十字社や政府から予算をつけて頂くのは厳しいということがうかがえます。ただ、日本赤十字社としては、今後日朝局長級会談で話が進むことを期待します。とのことでしたので、「連絡会としても期待をしたいと思います」とお答えさせて頂きました。
今後事務局としては、日朝議連や各議員さんへのご挨拶まわりをさせて頂き、活動の説明や、手助けのお願いをしていきたいと考えております。
また、4月の墓参訪朝は、4月17日出発予定で考えております。現時点でまだ共和国からのお返事が来ていませんが、参加を希望されている方々は、そのつもりで準備をして頂きたく思います。17日は北京でビザ取得のため1泊するので、実際に現地入りするのは18日からとなります。現地滞在は1週間程度を考えております。現在日朝間のこの動きの中で、共和国外務省も忙しく、お返事を頂けるのがぎりぎりになるかもしれませんが、その点は何卒ご了承ください。
